食道がんの治療
食道がんの治療には内視鏡治療、手術治療、放射線療法、薬物療法(化学療法)の4つがあり、それぞれの治療法の特徴を生かしながら、単独あるいは組み合わせた治療を行います。
どの治療を選択するかについては【図15】に示すがんの病期、すなわち臨床的進行度(ステージ)により決定されます。
ステージは、がんの浸潤の深さである深達度(Tで表します)、リンパ節転移の有無と有る場合はその個数(Nで表します)、肺や肝臓などの遠隔臓器転移(Mで表します)の有無によって決められています。ただし、患者さんの全身状態や希望などにより、同じステージでも異なる治療法を選択することもあります。治療法の選択には、患者さん、ご家族、主治医でよく相談して決めることが大切です。
ステージ0期、I期の食道がんの治療方針は内視鏡検査、CT検査、PET検査などにより、深達度診断、転移診断を行って決定されますが、特に内視鏡検査による壁深達度評価が重要です。すなわち深達度が粘膜にとどまる(T1a)か粘膜下層に達する(T1b)かにより初回治療法が異なり、T1aがんでは内視鏡的切除が、T1bがんでは手術や化学放射線療法(放射線治療と化学療法を併用する治療法)が治療の中心となってくるからです。
またT1aのがんであっても、病変が広く、内視鏡切除後に食道が細くなる(狭窄と言います)可能性がある場合は、手術や化学放射線療法を行うことがあります。また、検査で粘膜にとどまると判断して内視鏡治療を行った後、病理組織検査で粘膜より深く浸潤している場合には、手術や化学放射線療法などの追加治療が行われることがあります。
よりやさしい“食道がん”に関する情報や療養に関する情報および食道がんに関するQ&Aは、
国立がん研究センターがん情報サービス(下記リンク)を参照してください。