お知らせ

平成22(2010)年度食道外科専門医認定試験・書類審査基準

先に行われました平成22年度食道外科専門医認定審査について、書類審査基準を作成いたしました。
今回の審査はこの基準に従って行いました。以下お知らせ申し上げます。

日本食道学会 平成22年度食道外科専門医認定試験 書類審査基準

手術点数審査基準

1)対象

  1. 胸部食道癌
  2. 下咽頭頸部食道癌
    ・下咽頭癌であっても頸部あるいは胸部食道切除が行われていれば認める。
  3. 食道胃接合部癌、噴門癌
    ・Siewert type IIまたは西分類の食道胃接合部癌であれば非開胸(縦郭内操作)でも認める。
    ・食道浸潤胃癌(Siewert type III)は開胸手術であれば認める。
  4. 重複癌(下咽頭頸部食道癌と胸部食道癌、胸部食道癌と食道胃接合部癌)を同時に切除した場合は1つの手術とする。2例に分けることは認められない。

2)術者および指導的第一助手

  1. 手術記事の術者欄に筆頭者として記載されていれば術者と認める。
  2. 手術記事の助手欄のどの場所に記載されていても、赤字で指導医と記載し押印があれば指導的第一助手と認める。
    ・指導医の記載のない場合、押印がない場合は認められない。
  3. 手術記事に赤字で担当手術を記載し、押印があれば、その部分の手術の術者または指導医として認める。
  4. 手術記事に担当手術の術者や指導医が記載されていれば認める。
  5. 術者が上司(教授や診療部長)である場合、指導的第一助手としては認められない。
  6. 下咽頭頸部食道癌に対する咽喉食摘・頸部リンパ節郭清術を耳鼻科医が行った場合、外科医は指導的第一助手として認められない。

3)手術点数(50点以上)

  1. 申請者の申告した最大点数を採用する。
    例:胸部食道癌切除術+再建(胃管による)+両側頸部(三領域)郭清術は最大2点(1+0.5+0.5)であるが、1点と申告していれば1点とする。
  2. 開胸の左右にかかわらずリンパ節郭清を伴う開胸食道切除、胃管による再建は1.5点(1+0.5) ※結腸による再建の場合は計2点(1+1)
  3. 食道癌であってもリンパ節郭清を行わない単純食道切除は0.5点
  4. 非開胸食道切除術や縦郭内食道切除術は0.5点
    非開胸食道切除・後縦隔食道胃吻合術は1点(0.5+0.5)
  5. 下咽頭癌と胸部食道癌の重複癌で非開胸喉頭食道全摘術・両側頸部郭清術・咽頭胃吻合術は2点(1+0.5+0.5)
  6. 両側頸部(三領域)リンパ節郭清術は鎖骨上リンパ節(No.104)の郭清が記載されている場合のみ認める。

4)15点以上必要な胸部食道切除術は、上縦隔リンパ節郭清術を伴うものを指し、下記の術式は含めない。

  1. 右開胸であってもリンパ節郭清を行わない単純食道切除術
  2. 右開胸であっても中下部食道切除術・胸腔内吻合など、上縦隔または106rec郭清の記載がないもの
  3. 左開胸下部食道切除術あるいは非開胸食道切除術
    手術経験一覧表の「***:胸部食道切除術(15点以上必須)として加算できる」を削除する。

※第4項の条件は平成22年の審査では採用されていないが、平成23年の審査からは採用される。

5)記載事項

  1. 手術日の記載のないものは認めない。
  2. 申請日から5年以前のものは認めない。
  3. 施設の記載と所属長の承認印がないものは認めない。