このまま進めて良いのか~医師の働き方改革!
医師の時間外労働規制に関するアンケートのお願い
食道学会外科系会員の先生方へ
謹啓
厳しい残暑ならびにコロナの第5波の最中、皆様におかれましてはご多忙の日々を送られていることと存じます。
さて、厚労省が推し進めている「医師の時間外労働規制」が2024年4月より実施されます。医師、特に外科医の過酷な労働環境は改善されるべきではありますが、単に大枠の労働時間の上限設定があるだけで、それが医療の質へ与える影響は十分検討されていません。このままでは医療崩壊がぎりぎりで阻止されているコロナ診療と同様に、現場の医療従事者の対応に任されかねない懸念があります。実際、労働時間の規制が始まると現行の医療・研究・教育レベルや外勤を維持することは困難になり、医療・医学の質および地域医療の低下に繋がる危険があります。その意味では、医療を受ける国民と一緒になり、よりよい働き方改革、医療のあり方を検討していく必要があると思います。そのためには、我々の労働条件や労働環境の現状把握、厚労省がこのまま現行の働き方改革を推進することのリスク、そして我々が本当に望む労働環境の改善に関して意見を集約し、しっかりと広く世間に訴えていく必要があると考えています。
私は現在、日本胸部外科学会において政策検討委員会の委員長を拝命しており、昨年はcovid-19感染による胸部外科手術への影響について『プレス・リリース』を行ました。今年に関しては、上記の如く「働き方改革」をテーマに、特に過酷な労働環境である胸部外科医の現状把握と時間外労働の制限が現場に及ぼす影響に関するアンケート調査を行い、胸部外科関連3学会(日本心臓血管外科学会、日本呼吸器外科学会、日本食道学会)からの提言として本年11月の日本胸部外科学会学術集会において『プレス・リリース』を通じて報告する予定です。ただ、残念ながら胸部外科学会の会員である食道外科医は少なく、食道外科医の意見を集約するには多くの食道外科医が所属する食道学会のお力を拝借するしかありません。ただ、本アンケートは胸部外科へのご協力を一方的にお願いするものではなく、胸部外科関連3学会の意見のとりまとめを胸部外科学会で行い、3学会が一つになってより大きな、無視できない意見として世の中に訴えていこうというものです。したがって、本アンケート結果はご協力頂いた胸部外科関連3学会で自由に活用して頂いて構いません。以上を踏まえて、我々の現状を訴え、単なる時間外労働の制限が働き方改革にならないどころか、医療の質を落とす可能性もあることも合わせて提言できればと思います。
なお、本件につきましては、日本胸部外科学会より日本食道学会に協力依頼を申し入れ、日本食道学会理事会で承認を受けた後に皆様にご依頼させて頂いています。「働き方改革」は皆様自身の診療、研究、生活に直接関わることですので本件の趣旨をご理解の上、是非ともアンケートへのご協力をお願いする次第です。アンケートはGoogle formで作成しており、いずれも選択肢のある質問で所要時間は約5分、スマート・フォンからでも簡単に回答できます。メールアドレスを入力する項がありますが、二重回答を防止するための確認に使用するもので、回答と個人を特定するものではありません。我々の声をより大きくするためにも、一人でも多くの先生方に回答を頂きたいと思います。何卒、アンケートへのご協力を宜しくお願い申し上げます。
謹白
日本食道学会 理事長 | 土岐祐一郎 |
日本胸部外科学会 理事長 | 澤 芳樹 |
政策検討委員会委員長 | 安田 卓司 |
(日本食道学会学術集会副会長) |
■アンケートのURL
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSc7INc6w-Rfppj4rZS9X93jQOX65HiLo8rpd0JgcK2amXA02w/viewform
■アンケートのQRコード