日本食道学会
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お知らせ

2011年9月12日

日本食道学会NCD委員会よりの報告(食道外科専門医制度とNCDの関係について)

日本食道学会NCD委員会

【食道外科専門医制度とNCDの整合案】

パブリックコメント募集:以下の案にご意見がありましたら、食道学会事務局(office@esophagus.jp)までご連絡をお願いします。(2011年10月31日まで)締切日を2011年11月30日まで延長しました。

2011年1月から食道関連手術についてNCD入力を行っていることと思います。
今後、NCDの入力をそのまま利用して、食道外科専門医の申請を行えるようなシステム作りが必要となると考えられますが、現行では以下の様な問題点があります。

  1. ①食道外科専門医制度(参照:食道外科専門医制度規則施行細則)で点数化している術式とNCDの術式コード(外保連術式を基本としてコード化されている)との間の整合をつける必要がある。
  2. ②食道外科専門医申請においては、食道切除再建術において食道切除術・食道再建術・頸部リンパ節郭清術の術者は別々に申請できる(1手術で3人の術者を申請できる)が、外科専門医・消化器外科専門医の申請では1手術1術者の原則がある。
    <付記>
    現行のシステムでは、食道切除再建術のNCDコードOQ0039〜OQ0045を選択すると、術者欄・助手欄の間に「指導的助手」欄が現れるが、これは「再建術の術者」を入力することになっている。消化器外科学会専門医制度では、食道切除術は高難度手術、胃・空腸による食道再建術は中難度手術に分類されているため、両者を区別するための処置と考えられる。
  3. ③食道外科専門医申請では、指導医(指導的助手)にも点数がついているが、現行のNCD登録では、助手の中で指導的助手を区別できない。

以上のような問題点を解決するために、「消化器外科関連専門医制度協議会(仮称)/消化器外科データベース関連学会協議会・合同協議会」での協議(*1)や、消化器外科学会と食道学会との情報交換会(*2)などを経て、添付資料のような【食道外科専門医制度とNCDの整合案】を作成しました。

  • *1: 日本消化器外科学会、日本食道学会、日本肝胆膵外科学会、日本胃癌学会、 大腸癌研究会、日本肝癌研究会、日本膵臓学会、日本内視鏡外科学会、日本腹部救急医学会よりなる協議会で、約2ヶ月毎に開催されている。
  • *2: 第66回日本消化器外科学会総会(名古屋)時(2011/07/14)に開催した。
    食道学会からNCD委員会委員・専門医制度委員会委員の10名、日本消化器外科学会からNCD関連理事2名・事務局、NCDから運営委員1名が参加して、本件に関する情報交換を行った。その結果、食道外科専門医制度を1階部分の外科学会・2階部分の消化器外科学会に加えて3階部分としてNCDに実装することの大筋に関するコンセンサスを形成した。
    この件は、2011年8月4日の*1においても同意された。

【食道外科専門医制度とNCDの整合案】
消化器外科専門医申請と食道外科専門医申請の整合案 (PDFファイル)

  1. ①食道外科専門医制度規則施行細則にある手術経験一覧表の術式の並び順を変更して、それぞれにNCD術式コードを対応させた。
  2. ②消化器外科学会専門医申請のための術式名称を①に対応させた。ただし、食道外科専門医制度規則施行細則にある術式の中には、消化器外科専門医申請に対応しないものも含まれている(例:転移再発の手術)。
  3. ③食道関連のNCD術式コードを選択したら、食道外科専門医申請のための術者・指導的助手・助手の入力ステージに進むように、すべてのコードに☆1,☆2,☆3(こちらをご参照下さい−PDFファイル)を割り付けた。
  4. ④「食道外科専門医」の各術式の点数を詳細に記載した。
  5. ⑤食道良性疾患の手術にも「食道切除再建術」を加えた。
  6. ⑥☆2の中で、食道外科以外でも選択する可能性があるコードでは、「食道外科専門医」を選択した時のみ☆2が表示されるようにする。

注意:
提示している案は、大きな方向性として(総論として)、消化器外科学会からの同意、NCD運営委員による実装・実現の可能性の確認はしていますが、詳細が決定されているわけではありません。今後、食道学会での最終案を作成した上で、消化器外科学会で承認、さらに日本外科学会(NCD)での承認が必要になります。

文責:
NCD委員会委員長
藤 也寸志(九州がんセンター)

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